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2005年 01月 14日

発明とデザイン(その1:死神博士との対話…の巻)

訳あって、デザインしたものを特許申請することになった。
実用新案くらいなのかな〜と思ったら、それでは先々いって弱いということで役所の人に「特許にしたら」と薦められ。意匠登録もあるけど、あまり権利としては拘束力がないっていうか範囲が狭いみたいで、とりあえず申請だけはすることになった。申請出すだけなら、そんなに費用がかからないようなので。で、もちろん弁理士さんになんて頼むお金がないから、自分で書いて相談員に添削してもらうことに。

札幌駅の北口のビルにある発明協会へ行く。
「発明協会」…なんか、怪しくない?
ちょびヒゲ、ベレー帽、ループタイみたいなおじさんがうようよしてそうで。自営業のなんか妙に自信満々なおじさんとか。

とにかく行きました。そしたら役所の出先機関と同室のお隣同士、ついたてのこっちが役所、あっちが協会って感じ。思いのほか普通、というか事務っぽく、パートの女性職員さんたちがDMの封筒詰めかなにかしていて、健全な雰囲気。ループタイ臭、低し。
しかし、その事務所の片隅にあるパソコンコーナー(多分、特許検索用)に、あっち向いて座ってる謎の人物がいた。見るからに、謎。かなり白髪まじりのおかっぱ調の後ろあたま、ネル素材のチェックのシャツを着ている初老の男性。脚を組んで横座りをしている背中から立ち上るオーラ、ただ者ではない。「あ、いたいたいた。昼間っからうようよしている変な発明おじさん?」



と思っていたら、数十秒後、待たされていた無料相談コーナーに現れた相談員こそ!あのネルシャツの怪人であった。しかもこのお方、仮面ライダーの死神博士こと故・天本英世氏にクリソツなのであった…さすが発明協会。(なにが?)

「あの〜、一応これ書いてみたんですけどー」と書類を渡すなり、猛烈な勢いで書類に目を通し(なかば斜め読み)、突然猛烈な勢いで口添削を始める死神博士。
その勢い、心ここにあらず?なくらいある意味事務的。いや、事務的っていうんじゃないなー、取りつく島もなく「ハイハイハイ」ってどんどん前に進む感じ。
う、このままじゃ負ける!このスピード感について行かねば!と、まるでシゲカヨ(@ハッピーマニア)のように猛然と闘志を燃やして死神博士に取り付く私。

さすがに役所に出す書類だけあって、かなり下らないほどに書式書面にうるさい。
余白は20mmで、23mm以上は却下とか。
しかし意に反して意匠登録書類は拍子抜けするほど簡単であった。
が、問題は特許である。
日頃左脳を使った論理的文章の組み立て訓練をしていない私にとって、特許申請のマニュアルに書かれている書き方の意味がさっぱりわからないわけです。小学校の頃、算数の文章題の文章に使われている国語の意味がさっぱりわからなかったのと同様。問題がわかんないから、答えがわからない。そこをすっ飛ばして、もうマニュアルは読まないで相談員に口頭で教えてもらおう。と思って来た私がプチ・バカだった。
死神博士は、おそらく恐ろしく頭が良く、おそろしく発明品に詳しい専門家なのであろう。
質問してもがが=っと素早く答えられちゃって、イミわかんねー。
「あともう一つわかんないことがあるんですけど」って、もう一つを6個くらい言って、ひつこくひつこく食い下がるうち、なんとなくぽわんと死神博士と心通じて来た気が!だんだんわかってきたが、博士は江戸落語の師匠みたいな話し方なのだった。ぶっきらぼうなんだか、おばさんっぽいんだかよくわかんない。でもちょっと会話が噛み合って来た気が。

博士が口頭で添削する文章と解説を必死でメモとる私。いやー内心「このバカ女!」って思ってるだろうな。しょうがないじゃん、頭悪いんだからさー。
一応全部目を通して終わる頃、「直してからもう一度見てもらった方がいいですか」と尋ねると、その方がいいでしょとのお答え。博士とのセッション、もう1ラウンド延長。なんかちょっとうれしい♥(なんで?)
私の相談終了するやいなや、さっさと次のお客の方へ行く博士。来客は堅実系ベンチャー会社の若手社長と見た。そしたらその人、博士に対しめちゃめちゃ丁寧にかつ敬意をこめて話してた。博士も世の中知った人風にあーこれこれ君ィ口調でした。
死神博士、実は北海道の発明界の有名人なのだろうか…。

あらら、そういえばこれは死神博士の話じゃなくて、発明とデザインの話だったんだ…。
次回につづく!

by chiori66 | 2005-01-14 02:41 | つれづれ日々の泡


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