2005年 11月 10日
今日、すごいライブを聴いた。 車の中でAMラジオの「NHK昼の散歩道」を聞いていたら、長野の公民館からの生放送。 ゲストの名は、山本リンダ。 リンダ、すごい。 ステージを盛り上げる司会の長野局アナの絶叫の後ろに聞こえる華やかな生バンドのイントロにいやな予感。ラテンパーカッションは案の定「どうにもとまらない」。山本リンダといえばやっぱりこの曲。さすが歌い込んでるだけあって上手い。 立て続けに2曲目は「こまっちゃうナ」。そうくるか。 「デビュー40周年(!)なんです」と照れながら語っていたが、「初めてデートに誘われて、初めてラブレターもらっちゃってどおっしよう(>_<)。ママに相談しちゃったー♥」と甘ったれ声で歌われても、こっちこそどおしよう?ちょっとシュールな状況ではある。 ああしかし、お約束とはいえやっぱり今でもこの選曲なのか…。 ジョン・ライドンのライブに「アナーキー・イン・ザ・UK」を待望しちゃうような? そしてそれに応えて期待通りに演奏しちゃうような?それって、どうよ? ほとんど嬌声に近いハイテンションのMCは(内容もお約束通りベタなご当地褒めを中心に)、かなりイっちゃってると言えるし、かなり痛いとも言える。ある意味尊敬に値する。 「あー、リンダようやるわ…」 しかし、その印象は3曲目、アダモの1966年のヒット「インシャラー」のカバー(のトランス・リミックスみたいな)を聴いて吹っ飛びました。 舌ったらずヴォイスが、曲が始まった途端にドスの効いた低音に。その冗談みたいなギャップに違和感を覚えたのも束の間、抗う間もないままシャンソン的歌世界に鷲掴みで引きずり込まれる。マジで上手い。声、伸びる伸びる。 久々にものすごい歌を聴いた。 ラジオのスピーカーからでもわかるくらい、会場内は割れんばかりの拍手の嵐。 @長野県の公民館。歌手って歌が憑依する女優業だね。 続く「愛に生きて」は、作詞:リンダ×作曲:平尾昌晃の歌手生活40周年記念の新曲。 哀愁のピアノイントロが冬ソナ的=70年代歌謡曲の王道的なバラード。類型的といえば類型的なんですが、類型ゆえのカタルシスもありの、きっちりしたいい仕事してます。 「ラストの曲は、ご存知『狙いうち』!」 ほとんど捨て身ともいえるサービス精神と、ベテランならではのツボを心得切ったコール&レスポンスに会場は再び大盛り上がり。どうもこの曲の間に真っ赤なドレス(!)の衣装を脱ぎ捨てて、真っ赤なブーツとホットパンツ姿(!!)に早変わりしたらしい…(うわ)。 このイメージはある部分杉本彩に継承されてると言えるけど(深紅・バラ・お色気過剰)、「スイッチ入っちゃうとあっちの世界(※芸として)」と「実はものすごく律儀で真面目なんだろうけど」という、境界すれすれ感が山本リンダなんだろうな。 (それにしても阿久悠×都倉俊一、いい曲作ってましたね。) たった25分5曲でしたが、観衆の期待を裏切らず過去のキャリアと現在と未来をきっちり表現した選曲も巧み。運転しながら聴いていて、思わず唸ってしまいました。 う〜む、リンダ本当にすごいです。プロ中のプロだわ。 いっぺん観て実演を観てみたい…(でもコンサートはがっちり組織固めされてるんだろうな)。 ・・・私、なに熱く語ってるんだか(笑)。
by chiori66
| 2005-11-10 01:53
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