2008年 02月 04日

見つめる快感

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『北斎漫画』を見る。

上手い。たまげました。いや、上手いなんてもんじゃありません。
なにしろ、過剰なくらいの画量。手数。的確さ。
描きまくり北斎、恐るべし!





人間の脳と技術の関係って、UFOキャッチャーみたいなものだと常々感じるけれど(脳が命令しても、手がその意図通りに動いてくれる訳ではない、という意味で)、
北斎の目は、脳を経由しないで手と直結してたんじゃないだろうか。
見ること=描くこと。
この二つは明らかにほとんど同義であると思う、この人の場合。

面白おかしく描かれている戯画に混じって、題材としてはまるでどうってこともないもの(植物や職業、単なる生活風俗描写などなど)も多いのだけれど、
そのまるでどうってことないものまでが、めちゃめちゃ面白い。
(「洛中洛外図」とかブリューゲルの絵とか「ぐりとぐら」とかに共通する類いの楽しさ)

解剖学的にもかなり正確(そう)な人体理解と立体把握も驚き。大友克洋は360°どの角度からでも描けるって聞いたことあるけれど、北斎もどんなポーズも自由自在。カメラのない時代、もしかしてイチローばりに並外れた動体視力の持ち主だったとか?

観察し凝視すること自体の面白さ、正確に描かれていることや圧倒的な画力への驚きと感動に、当時の読者もグーッと引き込まれたに違いありません。もちろん、尋常じゃない数量にも。

なんたって、おそらく北斎が感じていたであろう描くことの感覚的&身体的な快感が、画面の隅々から奔出していて気持ちいい!
「画狂人」なんて自分で名乗っちゃうくらいだから、その狂いっぷりと表現への愛を重々自覚してたんでしょうね。
もー、「すごい」のひと言です。

東京では、江戸東京博物館で「北斎漫画展」を2月11日までやってます。

山口県立萩美術館・浦上記念館のアーカイブもサービス満点でびっくり。
行けない人は、おうちで楽しみましょう。

※画像は、手紙読んでるデブと猫
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by chiori66 | 2008-02-04 01:45 | つれづれ日々の泡


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